youtube解説「高校で4 月から始まった金融教育が意味すること」

「高校の金融経済教育」の必修化。
公立、私立を問わず全ての高校で始まりました。

毎週の時事ニュースは、経済的に自立すること、お金の不安をなくすこと、個人事業主、経営者として成功を目指す皆さんに刻々と変わる社会経済の変化を感じてもらいたいと始めたものです。

4月の時事ニュースは、インフレと円安、個人所得、海外との違い、を話して来ました。特に「インフレの時代の到来」は何度も取り上げました。
1998 年から始まったデフレの時代。2012 年にデフレ終焉と言われましたが、再度デフレ状態が続いていました。インフレとは2 年続いて物価が上がることをいいます。
1993 年にも物価が下がったので、1993 年から数えると29 年間インフレを経験していない
日本人と言えます。世界的に稀な国と言えます。

インフレの意味は物価が上がり、経済が膨れていくこと。
デフレは、物価が下がり、経済が縮小していくこと。

高度成長期、1960 年~1990 年代は、インフレと賃金の上昇がずっと続き、日本中の人が豊かになりました。預貯金の金利は年7~8%で物価以上にお金を増やしてくれました。金融リテラシーが必要のない時代だったと言えます。一生懸命企業で働き収入は20 年間で7倍8倍に、貯金すれば10 年で2 倍、20 年で4 倍に増えたわけですから。同時に年金や社会保障は十分用意されて将来に不安はないので、国民は消費に思い切り使えた時代です。

インフレになる→商品の物価が上がる→企業が儲かる→働く人の賃金が上がる→値段が高くても買う→企業が儲かる→税収が増え国が豊かになる→社会保障が手厚くなる→将来の不安が少ない→将来にお金を使う

こんな感じです。
デフレはこの逆なので、悪循環が続くわけです。
働く人、特に給与生活者は、この悪循環の影響をまともに受けてしまいます。
デフレの時は、節約する、貯金をすることでお金を守っていれば、先々商品の値段が下がるので、生活は守れるのですが、インフレが続けば、買いたい商品の値段が毎年高くなっていくので買えなくなってしまいます。インフレ率以上に賃金が上がれば、まだ問題なく買えま
すが、賃金が上がり続ける日本はまだまだ先。

そう、気が付いてもらえましたか。
インフレの時代は、お金の価値は下がり続けるので、価値を上げるために、物価以上に上がるものにお金を変える必要があるのです。
物価以上に上がるものが、現金を除いた、資産と言われるもの。
① 貯金
② 株式
③ 不動産
④ 金融商品
にお金を投資することで将来のお金を守り、増やせるわけです。
個人がお金を増やすことが、自由になり、いざという時の備えができ、人を助ける事ができ、世の中を良くすることにつながります。
ここに金融リテラシーが必要なんです。
お金を稼ぎ、ビジネスを起こし、資産をつくり、資産を増やせば上記の3 つが叶うわけで、株式投資のやり方、投資手法ももちろん大事ですが、それだけでは、十分ではありません。

教育は将来の社会の基盤を作ります。社会人教育としてのリスキリング、リカレント教育もその一環です。
こんな感じですね。
教育→人の価値観形成→個人の生活や人生プラン→経済の変化→新しい社会の実現
新しい社会の実現につながるまで10 年から20 年は必要です。
日本では、経済や社会があきらかに変わった方がいいと分かっても、どういうわけか変われない。そんな状態が日本では20 年以上も続いて来ました。

進行を妨げるものをボトルネックと呼びますが、学校教育もそのひとつにあげられています。
個人や企業が中々変われない根本的な原因が大学までの教育にあった?と言われると、どう思いますか?
様々な要因がありますが、ひとつだけ受けてない教育が、そう、お金に関する教育だったということです。結果、どうも金融リテラシーが日本人は低いのでは?と。

お金がある、ということは?
① 自由になれる。
② いざという時の備えができる。
③ 人助けができる。寄付やボランティアができ、つまり、社会の役に立てる。

これはアメリカで金融教育を教える基本の考え方です。
収入を増やし、資産をつくり、資産を守り、資産を増やす、ことで上の3つが叶います。
結果、複数の仕事を持ち、高い収入とやりがいをめざして転職を繰り返し、出来た資産をアメリカ人の50%以上の人が株式に投資するわけです。一方、日本人は1 つの仕事、会社で副業もせず、資産は50%の人が預貯金にします。株式投資は10%前後です。
資産とは、ほっといてもお金を生んでくれるモノを言います。
貯金、不動産、株式、金融商品、ビジネス。
利息、賃料、配当や値上り利益、投資収益、などですね。
日本の預貯金の利息は100 万円で年100 円。だから日本では貯金するのはお金を減らしているようなもの。
金融リテラシーを身に付ける必要性があるのは、正に今働いている現役世代なのです。

「いつもお金がある」状態が人生で最善であるなら、夢中になれる目標が①~④
① 自分で稼ぐビジネスを持ち、
② 収入を増やし、
③ 資産をつくり、
④ 資産を増やす。

働く現役世代の皆さんが身に付ける金融リテラシーは、
① 物価以上にお金を増やすこと。
② 節約ではなく収入を増やすこと。
③ 将来に渡って「お金がある」状態をつくること。
④ 株式や金融投資はこれからの時代に必然のスキルであること。
です。

モノの値段について掘り下げていくと、経済の仕組みや国がどのような政策を打てばいいのかの知識が広がり、値段が上がる理由、下がる理由から今起きてること、将来起きることなどが高い確率で予測できます。CPI 消費者物価指数は毎月1 回発表されるだけなので、
ぜひ発表されるごとに結果と内訳を確認する習慣を身につけてほしいと思います。

林慎太郎